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新年を迎えたと思っていたら、すでに3月。
新型コロナウイルスに翻弄されて、テレビを見ている時間が増えました。
いつもの年ならば、平泉は大型観光バスが連なって、
いよいよ観光シーズンに突入、というところですが、
天気のいい土日も中尊寺下は閑散としています。
観光バスの姿はなし、境内の札所もお休み、震災の諸行事もお経を読む会も
中止になって、あらゆるところに影響が出ています。
早く収束の兆しが見えてほしい…とはだれしも思うところです。
なかなか良いニュースに出合えませんね。
写真はお客さまからお預かりした和紙の張子面「おかめひょっとこ」です。
市松模様の唐紙に面を置き、ちょっとひょっとこを傾げて、立体額に納めました。
古来からの縁起物「おかめひょっとこ」は、
いつもユーモラスな表情で、飄々と生きてきたように感じます。
マスクが売ってない、せめてトイレットペーパーを買い占めておこう、と
戦々恐々している現代人を苦笑しているようにも見えます。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
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新年おめでとうございます。
今年も一関市東山町から「磐井清水若水送り」行列を迎えての新年です。
「磐井清水若水送り」は元日とともに、清水より今年初めての清水を
汲み上げて、桶に詰め、それを1度も下に降ろさずに束稲山の向こうから
峠を2つ越えて、藤原秀衡公に献上した、という故実を再現したものです。
このかわいい少年が今年の汲み役だそうです。
で、今年は雪がなかったために順調に行程が進み、いつもは6時半に
平泉道の駅でお迎えするのに、私が遅れてしまいました。
それで、中尊寺月見坂下で待ち受けました。

行列は「六根清浄」「お山繁盛」と唱えながら、月見坂を上がっていきました。
今年も一年、よろしくお願いいたします。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
春に修復の依頼を受けて出かけていき、持ち帰った本紙(305×181㎝)。
工房で開いてみたら。。。。ツレと私、ボー然。
167年前の紙絵なので、剥す時と丸めて移動する間にもかなり剥落。
「どうやったらこの絵、救えるの?」
それから4か月。
やっと修復を終えて、今週はじめ、外してきた組子(土台)に張り付け、
額椽に納めて完成させました。
工程は次回、まずは天台寺の風景写真をどうぞ。
工事中の天台寺本堂はほぼ外工事を終えて、ちょうど足場と防護シートの
取り外し作業中でした。前回シートに覆われていた外観を見ることができました。
みごとなとち葺き(杉材)の大屋根。ラインが素敵です。

でも、礎石部分はこんな感じ。排水溝工事もこれからだそうで、
あちこちブルーシートが目立ちます。

で、仕事をするのは本堂の後ろの護摩堂の横に建った新しい収蔵庫「桂泉蔵」。

1日目は雨、2日目は晴れて秋空にみごとなうろこ雲が浮かんでいました。
俳句をかじっていれば、1句詠みたいところです。残念!
宿泊は「天台の湯」 2泊お世話になりました。
天台寺から30分近く行った稲庭高原にありました。
お肌もすべすべ、つるっつる…
ナナカマドの実が赤く色づいて、美しかったです。

~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
猛暑の夏も徐々に秋に向かっているのがわかる今日この頃です。
風の入って欲しくない仕事なので、涼しくなって作業がはかどります。
この夏は大きな奉納額の修理に、汗を落とさないように気を遣い、
同時進行で襖絵の修復、張り替えもやっていました。
襖絵のシミ抜きが終わり、お客さまからの要望での補筆も終わり、
順次、納入しています。
写真はそのひとつ、「梅に鳩図」(←勝手に名付けた)です。
元はこんな感じ。

左端のシミ抜きをして、補筆です。
で、出来上がり。

満開の梅の花の下で、極彩色の鳩(たぶん)は
なにをついばんでいるのでしょう。
むかし、水墨画を書いている人が、言いました。
「小賀坂さん、絵は絵空事だからね」
この襖絵を描いた人も、こんな色の鳩を梅花の下で遊ばせて
みたかったのかもしれません。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
前回の古地図の完成品です。
今月初めから宮城県大崎市岩出山の「旧有備館」に展示されています。
町家の並び、居住者の名前が書かれていて、地元の人には
興味深く見ていただけると思います。
❖ ❖
もうひとつ完成したものが下の屏風です。
南部藩水沢城の留守家家臣のお宅の襖絵です。
襖の張替を依頼されてめくってみたら、下にもう一枚、
100年以上も前に描かれた水墨画が出てきました。
中国の大河をテーマにした風景画です。
さてどうしたものか?
結局、「春の図」と「秋の図」の二曲一双屏風になりました。
下の方はもっと絵があったのですが、何しろ生活建具の襖だったので、
足をぶつけることもあったのでしょう。あちこち穴が空いていたり
欠落していたりで、ここまでしか再生できず、残念です。
引手の楕円も気になりますが、遠目にはOKでしょう。。。。と思いたい。

~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂

今年はどこにも行かない、だれも来ない、ゴールデンウイークでした。
なのでしっかり通常通り仕事をしておりました。
工房の周りはクルマの渋滞が続き、自宅前のほか、工房の駐車場も
貸し出す(もちろん無料で)わんさかの人出でしたが。
写真は隣県の某市教育委員会から依頼のあった古い絵地図です。
5枚の紙に描かれているのですが、シワと破れと欠損で哀れな姿でした。
それに張り合わせてから書いたものとも思えない線の間隔。
道路を基準に合わせると川が合わないとか、いろいろ大雑把な絵ですが
それもまた愉しい裏打ちでした。
これは掛け軸になって某資料館に展示される予定です。
掛かりのよいものにできあがるといいのですが、ここまで大きな
掛け軸は2度目という、経験のなさに少々ビクビクしています。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
昨日はそぼ降る雨の中、県北浄法寺町の天台寺に行ってきました。
もう四月も終わり近いというのに、天気予報では「一部、雪も…」とか。
マジですか? と高速に乗ったら、気温表示板は4℃から徐々に1℃に。
2時間で天台寺に着きました。
訪れることなどないと思っていた天台寺です。
ここが瀬戸内寂聴さんの「青空説法」時には人で埋め尽くされた場所か、
と、少々感慨深く。。。
今は本堂の改修工事で建物全体が覆われていました。
そのかわり、かわいらしいお地蔵さまたちに迎えられました。
左側の収蔵庫に用事があったのです。
見回すと、あちこちに小さくてかわいいお地蔵さまが。
そして最後に一列に並んだお地蔵さまを見つけました。
こうなってくるとユーモラス、って感じです。
また近いうちに会いに来る気配です。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂

三寒四温が続いて、いっせいに花の春がやってきました。
そしてあっという間に散り時を迎えている4月下旬です。
わが工房の前庭に作っている(自生ではなく移植)タラの木の枝先に
にょきにょきと芽が出て、今年の初収穫です。
今夜は天ぷら、エビ・イカ無しなので精進揚げです。
これの倍採れましたが、いつものように友だちにおすそ分け。
工房は春らしく、障子の張替などが入ってきました。
寒い間にやっていた岩出山の有備館の掛け軸が展示され、
見学者たちの衆目を集めているようです。嬉しい限り。
「伊達政宗と二十四将図」は人気なようです。
アップしようと思いながらサボって散り際になった花の写真、
もったいないので上げておきます。(私の記録)
一週間前の花たち。今日はほろほろと風に散って……
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
今年初めてのブログ、1日延ばしにしているうちになんと3月です。
具合が悪くて書かなかったの? というご心配にはおよびません。
たださぼっていただけです。
今日はものすごい風雪の中、お葬式に行ってきました。
どなたの? 一関在住の作家及川和男先生です。
及川先生とお付き合いするようになったのは2005年のことです。
日本一小さな文学館「文学の蔵」に展示する俳人加藤楸邨直筆の額を
製作する依頼を受けたのが始まりでした。
工房へお出でになったり、お宅へ伺ったりしながらの約半年。
仕上った数枚の額は文学の蔵のパンフレットにも載って、
嬉しい限りでした。
単なるお客様のはずが、その後、駄文を書く趣味の私には
いろいろな場面でお会いすることが多くなりました。
最後にメールをいただいたのは1か月前、2月10日のことでした。
来年度の計画に意欲満々なのが見て取れて、突然の訃報には驚きました。
生涯現役のまま、一生を終えられて幸せなのかも、と思いながら
帰ってきました。ご冥福を祈ります。
「村長ありきー沢内村深沢晟雄の生涯」一読、おススメします。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
久しぶりに大雪の年末です。
明日は大晦日、そして明後日は元日…まっ、当たり前ですが。
この数年、年末の「骨寺荘園米納め」と元朝の「磐井清水若水送り」
両方の行列を出迎えています(一般見物人ですが)
骨寺は暖かな日でしたが、明後日の磐井清水はキビシそう。
年の瀬に当たり、わが工房のこの一年を顧みると、
新しいものの表具よりも古い書画の修復・仕立て直しという仕事の方が
多かったように思います。
同業の先輩から紹介されたあちこちのお寺さんの古い仏画掛軸だったり、
古物愛好家の方の、泥海水をかぶってそのままになっていた軸もの、
武家屋敷の襖絵などなど。
お寺さんのは宗派が違っていると使う裂の文様にも気を配らなければならないので、
いろいろ調べます。少し賢くなった気がします。(あくまで気だけ)
私たちでは手の付けられないほど傷んだ本紙(中身の絵)は
それを専門に修復する仲間に頼んで、それから表具し直します。
仲間のネットワークに助けられた一年でもありました。感謝です。
来年はどんな仕事と巡り合えるのでしょうか。
ちょっとドキドキ・ハラハラしながら未来に遺せる仕事に出合えることを
期待しながら、今年の仕事じまいをしました。
来年もよろしくお願いいたします。
ブログを覗きに来てくださる皆さまにも、来年がますます佳い一年となりますように。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂
明日は大晦日、そして明後日は元日…まっ、当たり前ですが。
この数年、年末の「骨寺荘園米納め」と元朝の「磐井清水若水送り」
両方の行列を出迎えています(一般見物人ですが)
骨寺は暖かな日でしたが、明後日の磐井清水はキビシそう。
年の瀬に当たり、わが工房のこの一年を顧みると、
新しいものの表具よりも古い書画の修復・仕立て直しという仕事の方が
多かったように思います。
同業の先輩から紹介されたあちこちのお寺さんの古い仏画掛軸だったり、
古物愛好家の方の、泥海水をかぶってそのままになっていた軸もの、
武家屋敷の襖絵などなど。
お寺さんのは宗派が違っていると使う裂の文様にも気を配らなければならないので、
いろいろ調べます。少し賢くなった気がします。(あくまで気だけ)
私たちでは手の付けられないほど傷んだ本紙(中身の絵)は
それを専門に修復する仲間に頼んで、それから表具し直します。
仲間のネットワークに助けられた一年でもありました。感謝です。
来年はどんな仕事と巡り合えるのでしょうか。
ちょっとドキドキ・ハラハラしながら未来に遺せる仕事に出合えることを
期待しながら、今年の仕事じまいをしました。
来年もよろしくお願いいたします。
ブログを覗きに来てくださる皆さまにも、来年がますます佳い一年となりますように。
~浄土の風 薫る町に~ 平泉 表具工房 こがさか楓林堂