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目下、掛け軸や屏風の製作の合間を縫って、大般若経を修理しています。
修理といっても大がかりなものではありません。
表紙の題箋(だいせん・書名が書かれている紙)の張り替えと表紙・裏表紙の傷みの補修だけで、1冊あたりの作業はたいしたことはないのです。
ですが、なんといっても数が多いのです。
1組10冊で、これが60組。ぜんぶで600冊です。
月の初めに大般若経会があるので、そのときはお寺に全冊がそろっていなければならず、仕上がるのに半年ほどかけたこま切れの作業日程となります。
こちらの手からそちらの手へパラパラパラと流れるように移動していく大般若経会の転読風景はテレビでは見たことがありますが、まだ実際には見たことはありません。
にもかかわらずその現物が手元にやってきたのですから、何という幸運!
表紙は表も裏も、なるほど修理に出さなければならないくらい傷んでいます。
どのくらい前に製本されたものかわかりませんが、毎月、パラパラパラとやるのですから、和尚さんたちの指にこめた力や汗を受けとめて、長い間にこうなったのでしょう。
感慨深いものがあります。
私は表紙の青い唐紙のズルっとむけて丸まった部分を延ばしながら糊付けし、連れ合いは隣の作業台ではがれにくい古い題箋に四苦八苦している今日この頃の工房です。
◆はがしと補修を終えて、新しい
題箋をはるばかりのお経本の整列
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