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取り立ててお知らせする新着情報はなく、今日も表具のおはなしです。
新しく仕立てるのもいいのですが、古くなって汚れたり破れた掛け軸や屏風の仕立て直しは、表具屋にはとてもワクワクするものです。
真新しい書や水墨画は回りが裂で囲われて、ステキな装いになるのは当たり前のこと。
ですが、古くなって字も満足に読めない、絵も汚くなって床の間に掛けられない、というシロモノを仕立て直すのは、仕上がったときの落差があってとても愉快です。
所さんのリフォーム番組のビフォー・アフターの家と同じです。
(ちょっとスケールは小さいですが・・・)
 
表具屋の言葉で「洗い」といいますが、古い表具から本紙(書画作品)だけを取り出して、
ぬるま湯をかけて刷毛でやさしくその湯を掃き出してやると、汚れも一緒についてきます。
頑固な汚れは薬品で処理しますが、これはみちがえるほどの効果があります。
黒墨だけの絵だと思っていたら、汚れの下からさまざまな色が現われたりして楽しい発見もあります。
写真は作品の古い裏打ち紙を剥がしているところです。
このあと微温水をかけて刷毛でやさしく撫ぜると汚れが流れ出してきます。
牛の下のほうにある汚れのシミも取り除くことができました。

 
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