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暑い毎日が続きます。したたる汗が目に入り、痛いです。
まあそこまではいいのですが、表具作業の途中で作品や裂に汗が1滴でもポタリと落ちようものなら、とんでもないことになりますから、慎重に慎重を重ねて仕事をしなければなりません。
時おり「あ、生きかえるぅ!」なんて、ありがたい涼風も表具には大敵です。薄い和紙がふわりと舞い上がり、糊がたちまち乾いて、仕事がやりにくくなりますから。
今週の表具教室は会場の障害者福祉センター「サンアビリティーズ一関」の和室のフスマ紙張替えでした。もとよりフスマなど大型建具の担当はツレアイなので講師の私は助手に徹した1日でした。
フスマの張り替えは新しいフスマ紙を張ることよりも、古いフスマ紙と茶チリ紙という下張りの紙をはがす作業の方が時間がかかって、たいへんです。ことに前に張ったときの糊がガンコであれば、難儀します。それでもそれらをきちんと取り除かなければ、新しいフスマ紙がきれいに張れません。
受講生のみなさんの協力で10枚のフスマ紙の張替えができました。写真は新しい下張り紙に糊を付け、張っているところです。
余談ですが、フスマが建っている和室大広間は、大震災の折には被災者の皆さんの避難所になっていました。教室として使っているこの部屋は水道設備があるので調理場に、作業台は調理台になっていたようです。
ついこの間まで同じ場所でたくさんの人たちが不安な毎日を過ごしていたかと思うと、切ないものがあります。それぞれ自宅へ戻ったり行政が用意した住宅に移られて避難所は閉鎖されたということですが、みなさんが元気で毎日を過ごしていてほしいなあ、と思わずにはいられません。
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