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自宅の畳をしばらくぶりに替えました。
プーンとイグサの香りがして、心までリフレッシュ。
若いころは畳の部屋なんて古臭くて、うちの中の部屋がぜんぶフローリングのほうがいい、と思っていました。
ところが、外に出た家族の人数が増えて、盆や正月に帰省したりすると、畳の部屋のありがたみが身にしみてわかるようになりました。
布団さえあれば、雑魚寝だろうと何人でもOK! なんて便利。
それに、畳、障子、襖に囲まれた空間の、心地よい気分はこたえられません。
「ああ!日本人だな」って、しみじみ感じます。
ところで、床の間の全紙大の掛け軸ですが、私のお宝です。
だれが書いたものやら、価値のほどはわかりませんが、気に入っております。
この掛け軸は知り合いかが捨てようとしていたのを拾ったものです。
まったくこういうものに興味のない知り合いが私が表具屋だと思い出して、ゴミに出す前に電話をくれたのです。さっそく出かけて行ったら、家の軒下に他の処分品の山と一緒にありました。
何か月も雨風の中で放置されていたようで、うっすらとアオカビなんか生えていました。
さっそく拾って、洗いをかけて、仕立て直したら、立派な掛け軸によみがえりました。
その知人に「これ、この通り」と見せた時、「やっぱり返して」と言われるのではないかと心配しましたが、杞憂でした。
一言、「あ、そう」で終わり。めでたく私のものになったのでした。
こうして危ういところを救った美術品ですが、先代、先々代が蒐集したたくさんの作品が無造作に捨てられていったことを思うと、残念でなりません。
だれでもいいから、捨てる前に私を思い出して、と声を大きくして言いたい私です。
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