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ツレアイが6月から少しづつ手をかけていた法華経の巻物10巻が先月末、ようやく仕上がりました。当初はお盆までの完成、という予定でしたが、少々遅れてしまいました。
というのも、いつもの写経巻物は20枚前後をつないでいき、頭の部分に表紙と巻き尻に奥付け、軸木を取り付けるだけの比較的簡単な作業です。
けれども今回は200枚余の写経用紙をすべて肌裏打ちすることになったので、手間と時間がかかりました。ツレアイはほかの作業の合間に裏打ちをしていくのですが、枚数が多いので遅々として進まない模様。
見かねた私は「いくらか手伝おうか」と、温かい手を差し伸べてやりましたが(?)、かたくなに拒否。連日の猛暑の中、ツレアイは汗対策にタオルで鉢巻しながら、とうとう全部ひとりでやりきりました。
この法華経。去年の東日本大震災で亡くなられた方々を慰霊するために、天台宗の若い僧侶の方々が写経されたと聞きました。なるほど、用紙の最後には全国にわたる県名、寺名、名前が記されていて、当然、1枚1枚それぞれみな違う筆遣いです。
横で作業を眺めているだけの私でしたが、仏に仕える若い和尚さん方の思いが結集したものだ、と思うと胸には熱いものが走りました。こういうだいじなものの表装をさせていただける、というのは表具屋冥利に尽きるなあ、と思った次第です。
「お前、ぜんぜん作ってないじゃん」と言われそうですが・・・ いえいえ、作業の進捗をしっかり監督していたから、気分は一緒に作っていたつもり、デス。
~浄土の風 薫る町に~ 表具工房 こがさか楓林堂
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