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先月、仏表具の製作過程をご紹介して最後に、風帯の話はまたあとで、と結びました。
ブログを読んでくださっている方々がその続きを待っておられるとはとても思えませんが、予告したものですからお付き合いください。
 
さて、風帯とは、掛け軸の一番上から下がっている2本の帯状の裂のことです。
私には凧の足のように見えるのですが・・・  
ふつう
一文字と同じ裂を使います。
垂れ下がった先端の左右には小さな房(露といいます)がついています。

 

風帯の名の由来は、文字通り「風の帯」です。

かつて中国では掛け軸を中庭で鑑賞するという習慣があったそうで、ツバメを追い払うために
風にたなびく細い紙を張りつけた、それが風帯の始まりと聞いたことがあります。
大事な書画にフンをかけられては困りますが、効果のほどはどうだったのでしょうか。
 
おもしろいことに、中国発祥の風帯が現代の中国表具にはついていません。
そして私たち日本の表具師も、漢詩や南画など中国的な作品、それから半切判の長い書画には文人表具(見切仕立や明朝仕立)をするので風帯はつけません。
つけるのは仏表具とごくごく日本的な作品を表具するときの三段本仕立(大和表具)です。
どこでそういうことになっていったのかはわかりませんが、不思議な気がします。
 
ところでこの風帯、しまうときには上の方できちんと畳んで最後に本体と一緒に巻くのですが、延ばしたままクルクルと巻き込む人がいます。
次に掛けようとすると風帯は巻き癖がついて本体に添わず、ひょんと手前に跳ね上がって、
凧の足よりもタコやイカの足のように見えます。
落ち着くまでに時間がかかりますので、どうか風帯付きの掛け軸をしまうときはお気をつけくださいね。
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